先進技術開発

一歩先を攻める
防錆技術に挑戦する。

材料技術設計部 防錆技術室 防錆材料グループ 
Y.K

私が所属する防錆技術室は2012年に新設されたセクション。その名のとおり錆を防ぐ材料や技術の開発に取り組んでいます。さまざまな金属部品が使われるクルマにとって錆は大敵です。しかも、何年も経ってから現れてくるために技術の評価もむずかしい。

また、トヨタ車は世界中で販売されているために、海が近かったり、雪が降って塩分を含む融雪剤が大量に使われたり、使用環境もさまざま。

そのため防錆技術室では、材料の開発ばかりでなく、腐食の状態を判断できる評価技術、解析技術にも取り組んでいます。クルマが錆びてしまってはお客様に満足していただけませんし、足回りなどの錆は重大な事故につながる可能性すらあります。防錆技術は、クルマづくりにおいて重要なミッションを担っているのです。

「防錆」という品質を支える
キーテクノロジー

「たかが、ボルト1本」と思う人がいるかもしれません。しかし、クルマづくりでは、そのボルト1本の腐食から不具合が起きて重大な事故につながる可能性があるのです。私は現在、このボルトに使用する防錆材料や、メッキ材料の開発を担当しています。トヨタ車に使われるボルトには何千という品番があります。一方、ボルトにコートする防錆材料にも有機、無機などさまざまな種類があります。ボルトが使用される部位や機能、ボルトの材質などに応じて最適な防錆が施されるように、防錆材料の適応基準づくりを進めているところです。

また、次世代の防錆材料開発も大きなテーマ。例えば「装飾と防錆の双方の機能を兼ね備えたメッキ材料」といったように、自分で考察したシナリオをもとに、材料メーカーと連携しながら開発を進めています。

私たちが開発する防錆技術は、すべてのトヨタ車が対象。したがって、前述したように世界中のあらゆる使用環境を考慮しなければなりません。錆の大敵となる塩分を含んだ融雪剤を例にとっても、国や地域によって種類は多種多様。私たちは防錆材料の開発によって、トヨタ車のグローバルな品質を支えているのです。

現地現物で必死に学び
不安を抱えて中国工場に出張した

2012年1月に現在の部署に異動する以前は、約6年間にわたりお客様品質部で塗装材料の解析を担当していました。お客様からよせられる塗装に関する不具合などを、一つひとつ解析して開発や製造の現場へとフィードバックするのが役割です。

忘れられない経験となったのは、入社2年目の中国工場への出張。塗装ラインで発生している不具合の原因解明が目的でした。事前に状況を把握するために現地と何度もやりとりをしたのですが、私の力不足もあって、まったく仕事が進まない。挙げ句の果てには「意味がないので、来なくてもいい」という打診までも。そこで私は出張に向け、国内工場の塗装ラインに毎日のように通い、塗装材料や工程に関わる知識を現地現物で必死に学びました。そして不安な気持ちを抱いて中国に飛んだのですが、現地ではすぐに不具合の原因となっていた作業手順の不備などを解明することができました。現地スタッフともディスカッションを交わして、エンジニアとして大きな自信を得ることができました。

お客様品質部はトヨタ車の品質を守る要となるセクション。その仕事は、開発や製造から営業、販売までさまざまな部署と密接に関連しています。この6年間で得た知識と経験は、現在の開発でも大いに役立っています。

いつでも熱意を抱いて
一歩先を攻める防錆技術に挑む

「君は何をやりたいのか?」。クルマの開発は多くの部門のエンジニアが連携して進めています。時にはタフな交渉が必要になることも。そんな時、しばしば投げかけられるのがこの言葉。相手を説得するためにはそれを裏付けるデータや資料は確かに重要です。しかし、最後に人を動かすのは自分の熱意であり、信念です。それをしっかり持っていないと、せっかく開発した技術も発揮させることができません。

特に防錆はお客様がクルマをご購入いただいてから、ずっと後になって成果が現れてくる技術。成果が掴みにくいからこそ、その開発には確固たる信念が必要なのです。

防錆技術を進化させていくためには、クルマと錆の関係を詳しく解き明かすことも重要です。トヨタには、塩水などを撒いた防錆専用のテストコースがあります。私たち防錆技術室では現在、このテストコースでの走行条件の再構築も進めています。世界中の使用環境を可能な限り再現することによって、次世代の防錆技術のヒントを見つけ出すためです。海外では整備時にクルマをリフトアップすることが多く、お客様はクルマの下回りまで見る機会があります。そんな時に錆が出ていたのでは、せっかくのトヨタへの信頼も台無しですよね。世界中のお客様にトヨタ車に乗っていただき、そして「次もトヨタ!」と言っていただけるように、一歩先を攻める防錆技術の開発に挑戦していきます。

転職をお考えのみなさんへ

全固体電池の実現化は、トヨタの競争優位性をはるかに高めるもので、
大きな期待を背負っています。
まだまだ大きなブレイクスルーが必要ですが、
新しいことや難しいことに挑戦できるため、技術者として、
やりがいのある分野であることは間違いありません。
多様な技術から成り立つ電池ゆえに、電池開発の経験だけでなく、
材料や材料加工、コーティング技術などプロセス開発に関する経験、
あるいは量産に向けた生産技術や設備開発などの経験も活きるはずです。
一緒に挑戦してみませんか。

※取材内容、および登場する社員の所属は取材当時のものです。

先進技術開発部門とは

未来のモビリティを創造するための先端研究や先行開発、そこで生まれた技術を実際の製品に仕立てる製品開発を手がけています。自分たちが新しい未来を想像して、描く。常に新しいものを考えて生み出す難しさと魅力が、ここにはあります。

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